沖縄の本ならココ! ボーダーインク2024-03-19T19:52:24+09:00『おきなわのお菓子』文・いけみやてるこ 絵・あらかきれいみhttps://borderink.com/?pid=1797418872024-03-01T15:08:58+09:002024-03-05T01:42:02Z2024-03-01T06:08:58Z2024年3月中旬発行予定
ただいま予約受付中
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・B5変型判ソフトカバー 32ページ オールカラー 総ふりがな
・定価1650円(本体1500円+税)
・文・いけみやてるこ 絵・あらかきれいみ
ーーーーー...沖縄の本ならココ! ボーダーインク2024年3月中旬発行予定
ただいま予約受付中
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・B5変型判ソフトカバー 32ページ オールカラー 総ふりがな
・定価1650円(本体1500円+税)
・文・いけみやてるこ 絵・あらかきれいみ
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ボーダーインクのビジュアルシリーズ
「おきなわのお菓子」とは沖縄の人が日常的に食べているお菓子の数々。
それには中国風のお菓子から日本風のお菓子、アメリカ風のお菓子、
地の食材を使ったお菓子などがあります。
お土産品としても有名な「さーたーあんだーぎー」や「ちんすこう」だけでなく、
伝統的な琉球王朝菓子に、毎日食べているおやつ、行事のお菓子まで、
約60種類をかわいいイラスト付きで紹介。
本書で取り上げたお菓子たち
・お祝いのお菓子
さーたーあんだーぎー/こーぐゎーし/まちかじ
・琉球王朝菓子
ちんすこう/せんじゅこう/ちーるんこう/たうちーちゃお/きっぱん/とうがづけ
くんぺん/花ぼうろ/りとうべん
*法事用菓子
・年中行事のお菓子
旧正月のなっとぅんすー/旧暦三月三日ののさんぐゎいぐゎーし/清明祭のもち
旧暦五月四日のぽーぽーとちんびん/旧暦五月五日のあまがし/旧盆のさーたーだんご/十五夜のふちゃぎ/旧暦十二月のむーちー
*お墓・仏壇のお供えのお菓子
*那覇三大おまんじゅう
・黒糖を使ったおやつ菓子
たんなふぁくるー/ぜんざい/あがらさー/くじむち
・芋を使ったおやつ菓子
んむにー/んむくじあんだぎー/たーんむでぃんがく
*お茶の時間
さんぴん茶/うっちん茶/ぶくぶくー茶
・駄菓子あれこれ
塩せんべい/かめのこせんべい/はちゃぐみ/いちゃがりがり/スッパイマン/みき/黒糖げんまい/菓子パン
*島々のお菓子
・アメリカ菓子
ジャーマンケーキ/アップルパイ/アイスクリーム/チョコレートやマシュマロなど/クッキー/ルートビアとオレンジドリンク/アイスティー
*お菓子の材料
■著者プロフィール
文:いけみやてるこ
編集事務所ヴァリエ所属。編集者、ライター。『聞き書沖縄の食事』(農文協、1988)、尚弘子監修『沖縄ぬちぐすい事典』(プロジェクトシュリ、2002)、宮城都志子著『パパッとごはん しっかりごはん』(ボーダーインク、2008)、尚弘子著『暮らしの中の栄養学』(ボーダーインク、2008)、『松山御殿の日々』(ボーダーインク、2010)等の編集・執筆に携わる。人生初の甘味の記憶は、熱を出したときに母が食べさせてくれた片栗粉の葛湯。
絵:あらかきれいみ
沖縄県立芸術大学卒業後、イラストレーター・アニメーション作家として県内外で活動中。誰かの心がほっこりしたらいいなと思いながら絵本のようなタッチの作品を制作しています。かわいいものや食べ物、子どもや昆虫を描くことが好きです。幼い頃の朝ごはんはなかよしパンでした。誕生日はよくジャーマンケーキを食べます。
■発行 2024年3月初版発行
]]>『「御願じょうず」なひとが知っていること 意味となりたち、そしてすすめ方』 稲福政斉 著https://borderink.com/?pid=1793141722024-02-01T14:02:28+09:002024-02-20T02:21:26Z2024-02-01T05:02:28Z-----------------------------------------------
●四六判 184ページ
●定価2200円(本体2000円+税)
●稲福政斉 著
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「祝儀袋と香典袋、どっちを使うんだっけ?」
「新しくヒヌカンを祀るにはどうするの?...沖縄の本ならココ! ボーダーインク
●目次
はしがき
?.沖縄の御願十二か月
いくつもの正月/ジュールクニチーと念仏の口開け/沖縄の鏡開きはいつ/年始回りで仏壇に線香/沖縄の彼岸、大和の彼岸/家庭ごとに異なるヤシチヌウグヮン/ひな祭りとハマウリ/清明祭と十六日祭/新しいシーミーの様式/ウマチーのミキ/ポーポー・チンビンの謎/沖縄の七夕は墓参り/旧盆、新暦の盆、月遅れ盆/御中元を贈る相手と時期/ポストコロナ時代のシチグヮチ/トーカチと米寿祝い/盆の後、八月は厄払いの行事が目白押し/フチャギとおはぎ/花のない沖縄の菊酒/カミウガミの今昔/冬至の食べもの/地域によるちがいの多いムーチーウユミ/ウグヮンブトゥチとヒヌカンの上天/御歳暮と御年賀/正月飾りはいつまでに/三十一日ではない旧暦の大晦日
?.御願の意味とすすめ方
インターネット上のグイス/しきたり界の奇妙な「シマクトゥバ」/沖縄と大和、それぞれの「旧暦二〇三三年問題」/大和の厄年、沖縄の厄年/祝儀袋と香典袋/真逆の習慣、うるう年/親元のヒヌカンから灰を分ける/ヒヌカンの道具と普段の管理/ヒヌカンを新たに祀る方法/ウチャトーは毎朝か月二回か/ウチャトーのウサンデーと仏壇の湯のみ/ウチカビ一組は三枚か五枚か/ウチャヌクの語源はお茶の子/果物のシールとネット、重箱のラップは外して/「よろこんぶ」ではない沖縄の昆布/重箱の三枚肉、皮は上か下か/ウチジフェーシで御願の経済効率に配慮/供え物は誰のもの/ヒラウコーは沖縄の常識、世界の非常識/線香の灰、ただの燃えかすにあらず/仏壇に酒を供える/ひとつのビンシーには瓶二本、盃一個
あとがき
おもな参考文献
●著者略歴
稲福政斉(いなふく・まさなり)
那覇市出身。沖縄各地の伝統的なしきたりや行事、祭具、供物について調査研究を重ね、その成果をわかりやすく伝える著述や講演活動にも取り組む。現在、沖縄県文化財保護審議会専門委員、沖縄国際大学・沖縄大学非常勤講師のほか、うるま市、沖縄市、北中城村、宜野座村、中城村、宮古島市などで博物館や文化財関連の委員をつとめる。
著書に『沖縄しきたり歳時記』(ボーダーインク、二〇一五)『御願の道具と供えもの事典』(同、二〇一八)『沖縄しきたり歳時記 増補改訂』(同、二〇一九)、『ヒヌカン・仏壇・お墓と年中行事 ―すぐに使える手順と知識―』(同、二〇二〇)、監修に『おきなわの一年』(同、二〇一八)があるほか、論考や連載多数。
●2024年2月29日 初版第一刷発行]]>『「守礼の光」が見た琉球 ―写真が語る― 米軍統治下のプロパガンダ誌は沖縄をどう描こうとしたか』ボーダーインク編集部 編 監修 古波藏契https://borderink.com/?pid=1791840162024-01-26T12:15:06+09:002024-02-20T02:21:00Z2024-01-26T03:15:06Z-----------------------------------------------
●B5変型判(182mm×182mm)160ページ
●定価2640円(本体2400円+税)
●ボーダーインク編集部 編 監修 古波藏契
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『守礼の光』とは、米軍の心理作戦部隊が...沖縄の本ならココ! ボーダーインク
沖縄の米軍統治下時代、世界は米ソを中心とした冷戦のさなかにあった。
軍事的緊張が高まる中、アメリカは
沖縄を「太平洋の要石」として軍事利用するために沖縄を安定統治する必要に迫られていた。
住民の宣撫目的で発行された『守礼の光』、
そこから透けて見える
占領者のメッセージとは―。
本書は7つの章立てで構成、
章ごとに監修者・古波藏契氏の解説コラムを収録し、巻末には本書をよく知るためのブックガイドを付した。
⚫︎目次
◉ひとびとの暮らし
商店街/沖縄にアパート・ブーム/毒ガス移送/宮古を襲ったコラ台風/干ばつ/ピープル・トゥー・ピープル 琉米親善/通貨と金融機関/人口増加と移民/働く(洗剤工場・ドライバー・那覇自由貿易地域・米軍基地従業員・労働組合と米軍)
〈コラム1〉米軍と?勤勉な労働者?
◉冷戦下の世界と沖縄
USCARと琉球政府/スポーツによる親善/沖縄と原子力/宇宙開発と沖縄/アメリカの自画像/ベトナム戦争と沖縄/共産主義 あべこべの世界
〈コラム2〉日常の中の冷戦
◉産業の近代化
工業/工場/ローカル企業の発展/畜産・水産加工・養殖など/二大「基幹作物」、サトウキビとパイン/工芸/農業の近代化
〈コラム3〉アメリカの沖縄?自立?策
◉島の風景
交通/一号線/事故の多発と道路整備/往来をゆく/島の港/港湾の風景/史跡・名勝/島のまつり/各地の風景
〈コラム4〉都市化は進歩か
◉学校と社会教育
小中学校風景/学校教育の復興と給食/高校生活/なつかしや校章/国際大学・沖縄大学/琉球大学/沖縄少年会館/沖縄英語センター/琉球政府立博物館/那覇市民会館/琉米文化会館・琉米親善センター
〈コラム5〉米軍の民主化政策と教育
◉芸能文化と娯楽
沖映劇場の公演/琉球芸能/琉球人形/楽しいレクリエーション/ボウリング人気/観光客の増加と大型リゾート施設/琉球切手
〈コラム6〉琉球文化の称揚と日本との切断
◉復興と進歩
空の便と観光/放送と新聞/電力需要の増加と発電所/消防と火災/電話/戦前の沖縄と「鉄の台風」/医療・保健と公衆衛生/結核予防シール/躍進する女性たち/家政学と生活改善/上下水道の整備/復帰前最大の公共事業、福地ダム建設
〈コラム7〉?太平洋の要石?と?民主主義の陳列棚?
本書をよく知るためのブックガイド
あとがき
⚫︎監修者略歴
古波藏 契(こはぐら・けい)
1990年沖縄生まれ。国際基督教大学卒業、同志社大学大学院博士後期課程修了。
博士(現代アジア研究)。日本学術振興会特別研究員(DC・PD)、沖縄国際大学、沖縄県立看護大学、名桜大学等非常勤講師を経て、現在、明治学院大学社会学部付属研究所研究員。
【主要業績】
『ポスト島ぐるみの沖縄戦後史』(有志舎、2023年)
『大学で学ぶ沖縄史』(分担執筆、吉川弘文館、2023年)
『沖縄県史 各論編 第7巻 現代』(分担執筆、沖縄県、2022年)
『総力戦・帝国崩壊・占領 戦争と社会 第3巻』(共著、岩波書店、2022年)
『つながる沖縄近現代史』(共編著、ボーダーインク、2021年) 等
⚫︎2024年2月26日 初版第一刷発行
]]>『沖縄苗字のヒミツ 増補改訂』武智方寛著 ボーダー新書23https://borderink.com/?pid=1789302622024-01-09T18:09:11+09:002024-01-19T02:41:03Z2024-01-09T09:09:11Z-----------------------------------------------
●新書判 224ページ
●定価1540円(本体1400円+税)
●武智方寛 著
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知られざる沖縄の苗字の数奇な歴史を解き明かしたベストセラー、増補改訂して登場
キン...沖縄の本ならココ! ボーダーインク知られざる沖縄の苗字の数奇な歴史を解き明かしたベストセラー、増補改訂して登場
キンジョウ、カネシロ、カナグシク、沖縄の苗字が独特な読み方をするのはどうしてだろう。
「改姓改名運動」で変更された歴史を持つ沖縄の苗字は、沖縄戦など歴史の渦の中で翻弄されて、数奇な運命をたどってきた。日本と沖縄の狭間で揺れ動く沖縄人の苗字への複雑な思いを探るユニークな沖縄近代史。
●あらたに「近代の沖縄の名前」 「復帰後の沖縄苗字」を増補しました。
はじめに
あなたは、沖縄の特徴というと何をイメージしますか。青い海、赤瓦の伝統的な家、沖縄方言、沖縄料理……きっと多くのイメージが出てくることでしょう。
「沖縄の苗字」はどうでしょうか。沖縄という場所で育まれてきた「沖縄の苗字」は、沖縄の特徴の代表選手とも言えるのではないでしょうか。「沖縄の苗字」には、本土では苗字にあまり使用しない漢字が使われていて、独特な読み方なものがあります。
〈中略〉
今まで多くの研究者たちが、近代以降の沖縄を明らかにするために、政治や経済そして文化などあらゆる視点から研究に取り組んできましたが、「沖縄の苗字」そのものを視点としたものは多くはありません。そこで私は本稿で、マジメに「沖縄の苗字」の歩みをたどることで、前述の疑問の答えを探しながら、近代以降の沖縄の人たちの苗字に対する思いを探ってみたいと思います。
●目次
はじめに
第一章 苗字の歴史
第一節 日本の苗字の歴史
第二節 沖縄の苗字の歴史
コラム 伊平屋島の孫左衛門
第二章 沖縄苗字の足跡
第一節 近代の苗字
第二節 ミヤグスクVSミヤギ
第三節 「読み替え」をめぐる社会と人々
第四節 近代の沖縄の名前
コラム 不思議な名前
第三章 苗字改造計画案
第一節 北大東島からの提案
第二節 復姓のお作法
第三節 沖縄学の苗字へのアプローチ
コラム 「クシ」さんと「アカ」さん
第四章 さまよえる沖縄苗字
第一節 どうなる沖縄の苗字
第二節 沖縄の苗字をめぐる知識人
第三節 「読み難い姓名改姓座談会」
第四節 苗字の変更 二つの選択
コラム 門中のルールで苗字変更
第五章 「鉄の暴風」が沖縄苗字に残したもの
第一節 戸籍からの解放、その代償
第二節 「キンジョウ」大発生
第三節 「読み替え」の置き土産
コラム 「ピサラ」さん
エピローグ 復帰後の沖縄苗字
●著者略歴
武智方寛(タケチミチヒロ)
1972 年香川県高松市生まれ。沖縄国際大学大学院地域文化研究科(民俗文化領域)修了。法政大学沖縄文化研究所国内研究員。
2024年1月 初版第一刷発行]]>『沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り 民俗芸能の伝統と創造をめぐる旅』久万田晋著https://borderink.com/?pid=1787823312023-12-28T11:37:39+09:002024-01-05T00:44:18Z2023-12-28T02:37:39Z-----------------------------------------------
●四六判ソフトカバー 208ページ
●定価2640円(本体2400円+税)
●久万田晋 著
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沖縄奄美の民俗祭祀芸能を知りたい、学びたい方に待望の1冊
神と人をむすぶ...沖縄の本ならココ! ボーダーインク沖縄奄美の民俗祭祀芸能を知りたい、学びたい方に待望の1冊
神と人をむすぶ舞い遊び
島と人をつなぐ歌と祈り
太古と現在をつらぬく芸能の奇跡
沖縄奄美の民俗芸能を長年にわたり調査研究してきた著者による島々の祭祀芸能、歌舞を知るための概説書。
島々の民俗芸能の動向をわかりやすい解説と豊富な写真で紹介し、沖縄・奄美の歌と踊りの、より深い研究へと誘う。
「沖縄・奄美の島々には実に豊かな音楽・芸能が多種多様な姿で今日まで継承されてきた。中にはその継承が危ぶまれているものもあるが、バーチャルなネット空間やAIが隆盛する21世紀の今日においても、それらをいまも何らかの形で体験出来るのは奇跡的なことだと思う」
(久万田晋 沖縄県立芸術大学・芸術文化研究所・教授)
目次
沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り
海神祭 ―他界からのカミを迎える
臼太鼓 ―シマを支える女性たちの歌声
エイサー ―若者の躍動するパフォーマンス
巡遊芸人チョンダラー ―沖縄芸能のミッシング・リンク
綱引き ―夏折目の統合・厄祓・競合
宮古のクイチャー ―伝統と創造の拮抗
奄美大島の八月踊り ―男女の歌掛けと太鼓の響き
浜下り行事 ―祓い清めと女の遊び
騒ぎ歌《六調》の系譜 ―歌が繋ぐ奄美と八重山
ハーリー行事 ―爬竜船競漕と龍蛇神への願い
創作エイサー ―伝統性と現代性の競合
「国頭サバクイ」 ―沖縄の木遣り歌
八重山のアンガマ ―帰還する祖先神との交流
奄美大島のショチョガマ・平瀬マンカイ ―夏の節目の稲霊招来
豊年祭 ―夏の節目を祝う祭り
マムヤとむちゃ加那 ―沖縄・奄美における悲劇の女性伝説と歌
玉城金三の活躍 ―芸能を地域に伝えた異能の人
《天親田》と《ティルクグチ》 ―島々に伝わる稲作生産叙事歌謡
《あじそえ》と「諸屯(しゅ どぅん)」―琉球と奄美、歴史と歌舞のあいだ
《赤田首里殿内》と《弥勒節》 ―沖縄に伝わる弥勒の歌
《うりずんグェーナ》、「かせかけ」 ―女が布を織り、男を守る歌舞
《安里屋ユンタ》 ―古謡から節歌、新民謡へ
沖永良部島の「島建シンゴ」 ―世界創成の叙事歌謡
沖縄・奄美の民俗芸能にみる性別と歌唱法 ―島々の踊り歌を例として
沖縄・奄美の民俗芸能をより深く知るために
民俗祭事概説
沖縄・奄美の三線音楽
沖縄民謡から島唄・沖縄ポップへ
沖縄・奄美の歌と踊り:より深い研究への誘い
参考文献 参考音源 あとがき
●著者略歴
久万田晋(クマダススム)
沖縄県立芸術大学・芸術文化研究所・教授。
1961年高知市生まれ。東京藝術大学大学院音楽研究科修了。専門は日本・沖縄を対象とした民族音楽学、民俗芸能論、ポピュラー音楽論。主な著作は『沖縄芸能のダイナミズム 創造・表象・越境』(共編、2020年)、『沖縄の民俗芸能論−神祭り、臼太鼓からエイサーまで−』(2011年)、『エイサー360度 歴史と現在』(共著、1998年)など。
2023年12月25日 初版第一刷発行]]>『沖縄のもあい大研究 模合をめぐるお金、助け合い、親睦の人類学』平野(野元)美佐著https://borderink.com/?pid=1781310132023-11-14T10:56:39+09:002024-02-20T08:32:01Z2023-11-14T01:56:39Z-----------------------------------------------
●四六判ソフトカバー 288ページ
●定価2420円(本体2200円+税)
●平野(野元)美佐 著
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お待たせしました。
待望の話題作、刊行です。
模合(もあい)...沖縄の本ならココ! ボーダーインクお待たせしました。
待望の話題作、刊行です。
模合(もあい)、面白すぎる!
庶民を支えるユイマール(相互扶助)か、それともただの飲み会か?!
文化人類学者がフィールドワークで出会った驚きの模合の数々。
沖縄社会をぐるぐるまわしてきた模合の過去、現在、未来をさぐるユニークな沖縄現代史。
模合から見た沖縄とは。
※もあい(模合)は「頼母子講・無尽講」と呼ばれ日本全国にあった慣習でした。沖縄では、現代も生活に根ざした庶民金融であり、相互扶助、親睦グループとして、盛んに行われています。
模合をやっている人も、やったことない人も、誰かに話したくなる「はなしのタネ」がたくさん詰まっています。
《なぜ模合金を受け取るときに「ありがとう」というのか》
《「はじめに」要約》
■「模合」にヒミツってあるの?
沖縄で暮らしている人なら、こういう光景を目にしたことがあるだろう。
レストランで賑やかにひとしきりおしゃべりしていたかと思うと、おもむろに財布や封筒からお金を取り出して集めだす女性たち。居酒屋でビール、泡盛を楽しそうに飲みながら、集められたお札を数える男性たち。よくみれば、手元のノートに何やら書いている人がいる。やがてそのお金はみんなが注目しているなか、おもむろに特定の人に渡される……。べつに怪しい取引ではなく、沖縄のあちこちで、ほぼ毎日繰り広げられている光景である。
それは「模合(も あい)」と呼ばれる、沖縄では誰もが知っている「慣習」である。長年模合に参加してきたという人もたくさんいるだろう。
沖縄で、「模合とはなんですか」とたずねると、「ただの飲み会」と言われることがある。確かに、模合は居酒屋でわいわい楽しむものというイメージが強い。大阪出身の私が模合に参加させてもらうとき、「模合を研究しに来ました」と伝えると、「ただの飲み会なのに何を調べるの?」「模合になんのヒミツがあるの?」と、不思議がられた。それは実に正しく、多くの模合は楽しい飲み会や食事会であり、なんのヒミツもないようにみえる。模合に参加してどんなに目を凝らしても、楽しく飲食している人たちがいるばかり。
「ただの飲み会」と思われている「模合」だが、実は様々な歴史的変遷をへて、現在の姿となった。つまり「模合」を理解するためには、それなりの知見が必要なのだ。しかし幸いにも、これまで「模合」の学術的な研究があり、さまざまな論考が発表されてきた。
本書では、こうした研究をもとに、第一章で、世界のなか、そして日本のなかでの沖縄の「模合」の位置づけを考え、第二章から第四章までは、琉球王国時代からつづく「模合」の役割をまとめてみた。いわば「歴史編」である。
第五章から第一〇章までは、いよいよ私のフィールドワークから見えてきた模合の諸相をまとめた「現代編」である。現在の模合に関心がある方は、ここから読んでいただいてもいいかもしれない。そこから見えてきたものは、実にさまざまな理由で模合が始められ、いろいろな人びとが模合を通してつながっている姿だ。
第一一章と第一二章は、沖縄の模合のこれからを考える「未来編」である。模合の最大の危機ともいえる新型コロナウイルス感染拡大は、模合をどのように変えたのだろうか。また最近、コロナに関係なく、沖縄の若者は模合をやらなくなっているという話をきく。若者が模合をやらなくなると、模合はどうなってしまうのだろう。
それでは、いま模合をやっている人も、初めて模合と出会った方も、みんなが知っているようで知らない「模合」をめぐる旅に、これからお付き合いいただきたい。
■[模合コラム]はなしのタネ(小見出し)
できるかぎり読みやすく記述したつもりではあるが、これまでの調査研究のまとめでもあるので、特に模合を現在やっている方には、まどろこしい部分もあるかもしれない。そこで今回は、文章の要点でもあり、また読みどころを押さえた「小見出し」を数多くつけてみた。そして次頁には通常の目次とは別に、その小見出しだけの目次を準備した。それらはいずれも模合の世界を知ることのできる断片なので、いわば「模合コラム」として、気になるタイトルから拾い読みしても楽しめるはずである。みんなの模合の場で、「はなしのタネ」として活用していただけたらうれしい。
●目次
はじめに―沖縄の「模合(も あい)」をフィールドワークする
第一部 歴史編―模合のこれまで
一章 模合はグローバルな文化だった
世界のモアイと沖縄の模合を比べると
日本の頼母子講・無尽講の移り変わり
相互扶助(ユイマール)としての模合
ユーレーから模合へ
模合にまつわる言葉あれこれ
二章 琉球王国時代の模合
模合に関する古い記述
薩摩の模合と琉球の模合
琉球王国のなかの相互扶助
三章 明治期以降の模合
相互扶助が息づく明治初期の模合
営業化する模合
女性はどのように模合をしたか
地方における模合
八重山・宮古の模合
沖縄戦と模合
四章 戦後の模合
復帰前のドル模合
復帰前後の混乱と模合トラブル
復帰後の模合
第二部 現代編―模合のいま
五章 模合のリアルを知る
模合のきっかけ
模合を始めるといろいろある
積み立て模合と旅行模合
模合は組織である
六章 同級生模合の世界
同級生という幼なじみ
同級生ネットワークをつなぐ模合グループ
同級生模合グループ百花繚乱
七章 さまざまな人をつなげる模合
同業者模合と異業種模合
親族の模合
地域・近隣の模合
伝統文化を支える地域模合
友人・知人の模合
政治と模合
多種の模合をどう組み合わせるか
八章 金融としての模合
お金目的の模合参加
模合が崩れるとき
親睦模合の持ち逃げ
九章 模合を介した助け合い
模合仲間と助け合う
グループのそとに広がる助け合い
老いに寄り添う
模合仲間とはなにか
一〇章 世界のウチナーンチュと模合
世界のウチナーチュはどんな模合をしているのか
米国ハワイ/米国フロリダ/ ボリビア/ブラジル/ペルー/アルゼンチン
第三部 未来編―模合のこれから
一一章 最大の危機?! 新型コロナウイルス
新型コロナウイルス、どうする模合?
コロナ禍による変化とは
コロナ禍で失われたもの
一二章 模合の未来と沖縄の若者
若者の模合ばなれ
子ども時代に模合に親しむ
若者と模合の距離感
模合から距離をおく人たち
終章 模合とは、人と何かを「合わせること」
あとがき 謝辞 引用文献
●著者略歴
平野(野元)美佐(ひらの−のもと みさ)
1969年大阪府生まれ、兵庫県西宮育ち。総合研究大学院大学文化科学研究科修了・博士(文学)。鹿児島国際大学、天理大学を経て、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・教員。専門は文化人類学、地域研究。
著書『アフリカ都市の民族誌』(明石書店・2005年)、主要論文「親睦模合と相互扶助」『生活学論叢』26号(2015年)、「宮古島における子どもの祝いの発展とその背景」『沖縄文化』53(1)巻125号(2023年)など。
2023年11月30日 初版第一刷発行]]>『南島の地名を歩く』南島地名研究センター編 ボーダー新書22https://borderink.com/?pid=1778659352023-10-27T18:30:15+09:002023-11-02T00:41:47Z2023-10-27T09:30:15Z---------------------------------------------
ボーダー新書22
・新書判 202ページ
・定価1540円(本体1400円+税)
・南島地名研究センター編
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南島(奄美、沖縄、大東、宮古、八重山)の地名は面白い
語源や...沖縄の本ならココ! ボーダーインク南島(奄美、沖縄、大東、宮古、八重山)の地名は面白い
語源や成り立ちから見えてくる、地名に込められた歴史と文化
身近な地名が面白い!
難読地名「仲村渠(なかんだかり)」の語源は?
なぜ西のつく地名が多いのか?
基地で消えた地名
川でないのに川がつく地名の謎
*本書は『地名を歩く 増補改訂』(ボーダインク、2006)をもとにした新書版である。新書判では図表や写真は割愛し、論考78編中10編を割愛し、1編を新たに追加した。配列にも多少変更を加え、新たに見出しを加えたものもある。
〈執筆者一覧〉 50音順
新垣 源勇 /安渓 遊地 /石垣 繁 /糸洌 長章 /上原 冨二男 /奥田良 寛春 /我那覇 念 /金城 善 /久高 将清 /久手堅 憲夫 /崎山 直 /島袋 伸三 /知名 定順 /津波 高志 /堂前 亮平 /渡久地 健 /渡久山 章 /名嘉 順一 /仲宗根 將二 /仲田 邦彦 /仲原 弘哲 /仲松 源光 /仲松 弥秀 /中村 誠司 /牧野 哲郎 /町田 宗博 / 松村 順一 /宮内 久光 /宮城 幸吉
■ 目次
? 南島の地名を考える
1 沖縄の地名の特徴 /2 全国的視野からみた琉球弧の地名 /3 北方を「上」と見る思想 /4 村(ムラ)と村(ソン)/5 東江は日があがるところ /6 なぜ西の付く地名が多いのか /7 沖縄の山は「〜岳」 /8 数多くある沖縄のグスク /9 山原の地名バーリ、バール /10 東恩納説にみる二村落の連称 /11 古代の沖縄の集落「マキヨ」/12 宮古・八重山の集落「ハカ」 /13 地形図にみる集落名の変遷 /14 島の方言としての地名を守る /15 下地島の地形・地名・人
? 島の名称
16 文献にみる「沖縄」と「琉球」【沖縄と琉球】 /17 サンゴの美しい島【うるま島】 /18 サンゴ礁段丘の島【ききや(喜界島)】/19 各地にある「鳥島」【鳥島】 /20 葉壁山と呼ばれた島々【伊平屋島、伊是名島】 /21 ベイジル・ホールの地図にも掲載 【伊江島】 /22 海中道路の走る島【平安座島】 /23 イザイホーの島【久高島】 /24 中国人のつけた名前「馬歯山」【慶良間諸島】 /25 ボロジノ島として知られた島【大東諸島】 /26 ミャーク・麻姑山・太平山【宮古】
? 集落の地名
27 全国にも多い「なご」地名【名護】 /28 地名が巻き起こす珍事【恩納の伊武部】 /29 「チンヤンバル(金武山原)」【金武】 /30 二つあった具志川村【具志川】 /31 米軍基地のため戦後独立【嘉手納】 /32 基地の街の象徴【コザ】 /33 かつては越来の中心地【嘉間良】 /34 各地にあった中城地名【中城】 /35 第一尚氏出生の地【佐敷(サシチ)】 /36 「村渠」は村別れの意味【仲村渠】 /37 白銀堂が発祥の地【糸満】 /38 沖縄戦終焉の地【摩文仁】 /39 北のあたりとグスクのあたり【西辺と城辺】
? 地形・水に由来する地名
40 波之上宮はハナグスク【「鼻」は岬角名】 /41 蛇の意からきた岬名【平安名崎(ピョウナ・ザキ)】 /42 宜野座村のシンボル【ガラマン岳】 /43 八重山の峠【越地】 /44 語源は小坂かくびれか【クビリ】 /45 難読地名「大工廻」【「サク」地名】 /46 八重山で谷や割れ目の意味【バリのつく地名】 /47 名称は似るも地形は別もの【トー原とドー原】 /48 『古事記」にも出てくる地名【ヒラ・坂】 /49 小盆地の谷地地名【幸地・垣】 /50 ハンタから生まれた地名【坂田】 /51 川でない川【井泉由来地名】 /52 地下水が湧き出る泉【八重山の「ナー」】 /53 樋が掛けられている井泉【ヒージャー】
? 海岸・海地名
54 海浜地名「ユナ」【与那覇・与那原】 /55 砂地の地名・兼久【カニク】 /56 奄美の「カニク」地名のルーツ【金久】 /57 流されて溜まった土砂【イーフ】/58 石になった浜【板干瀬】 /59 海の出入り口の澪・津口【ヌー】 /60 港の昔の名前【津・津口】 /61 船のとまるところ【港・湊・泊】 /62 オモロに歌われ琉歌にない言葉【イノー】 /63 瀬戸地名が由来【「シル」地名】 /64 幻の大陸へのロマン【八重干瀬】 /65 海底の地形的高まり【スニ】
? 歴史・民俗を伝える地名
66 琉球弧のみに残存する地名【オボツ山】 /67 神の足がかりの地【キョウ】 /68 各地の海岸・海に立つ【立神・トンバラ】 /69 「寺」でない「テラ」 /70 王府時代の主要道路【宿道】 /71 競馬だけでないイベントスペース【馬場(ウマーウイ)】 /72 道路が交差するところ【ツンマーセ】 /73 切り通しの生活道路【ワイトゥイ】 /74 門は門にあらず【ジョウ】 /75 分村・移住の歴史を物語る【宮古島の「添」地名】 /76 全国70%余の米軍専用施設【米軍基地】 /77 基地で消えた地名 /78 市町村合併にみる地名 /79 戦後の埋立地、新たな地名「〜崎」
新書版あとがき /執筆者一覧
■新書版あとがき
本書の初版は、『琉球新報』に1990年の1年間、南島地名研究センターの会員が中心となって、毎日曜日に連載された「地名を歩く」を基に、補筆・追加を行い、翌年の10月にボーダインクから発行されたものである。
その初版の連載が始まる前の1986年には、角川書店から『角川日本地名大辞典 47沖縄県』が刊行され、また初版刊行後の2002年には平凡社から『日本歴史地名大系第48巻 沖縄県の地名』が刊行され、沖縄県民をはじめ、多くの方々に琉球・沖縄の地名を考えることが身近なものとなった。
当センターの会員は、これらの大型の地名辞典とは趣を異にし、独自の目線で奄美から先島までの琉球弧の地名を明らかにしてきた。
初版の完売により、新たに増補改訂版が2006年10月に発行された。これもすでに完売とのことである。地名を研究する者にとって、多くの方々がこれらの「地名を歩く」を手に、地名を歩いていることを想うとたいへんうれしくなる。
今回は、新書版として提供するため、紙面が限られていることから、これまでの図表を割愛するなど内容を再編するとともに、前回の増補改訂版で指摘のあった「埋立地の地名」を加えた。
増補改訂版の発行から17年が経過し、執筆者の多くが鬼籍に入られている。本書を読んでいると、その諸先輩方の地名に対する思いが強く感じられ、願いが叶うのであれば、もう1度お目にかかって、さらなるその思いをご教示いただきたいものである。
南島地名研究センターが1982年に発会してから、40年余が経過した。近年は新型コロナウイルスの蔓延により、研究会はおろか巡検も開催することができない日々が続いた。そのコロナもやっと落ち着きが見え、人々に日常が戻りつつある。
本書を手に、新たな「地名を歩く」をはじめなければならない思いでいっぱいである。
結びに、初版・増補改訂版に続き、装いも新たに新書版として、よみがえる『地名を歩く』は、ボーダーインクの池宮紀子社長の並々ならぬ思いの結実である。また、会員の渡久地健氏には、増補改訂版を新書版にするにあたって、編集の労をとっていただいた。記して感謝申し上げる次第である。 南島地名研究センター代表 金城 善
■著者プロフィール
南島地名研究センター(なんとうちめいけんきゅうセンター)
1982年、地名は祖先の残した大切な文化遺産である、との認識のもと研究者や地名を愛する人々らによって仲松弥秀を初代代表として設立。機関誌『南島の地名』は第6集(2005、ボーダーインク)、会報「珊瑚の島だより」は62号を数える。1991年『地名を歩く』、2006年『地名を歩く 増補改訂』を発刊(ともに絶版)。1993年、日本地名研究所より活動奨励賞を受賞。南島(琉球弧)の地名をテーマに、研究発表会(大会)、例会、巡検などの活動を行っている。
〒903-0129
沖縄県西原町字千原1番地
琉球大学文学部地理学教室内
■2023年10月31日発行
]]>『我が内なる沖縄、そして日本 ある放送人が見つめた昭和・平成史』大濱聡著https://borderink.com/?pid=1766365752023-08-16T12:31:24+09:002023-08-21T05:37:12Z2023-08-16T03:31:24Z-----------------------------------------------
●四六判ソフトカバー 400ページ
●定価2750円(本体2500円+税)
●大濱聡 著
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「復帰」前に沖縄からNHKに入局し、昭和、平成と様々な社会の転換期を見つめて...沖縄の本ならココ! ボーダーインク『在日コリアンの文学史 1923〜2023』落合貞夫著https://borderink.com/?pid=1763273942023-07-31T18:49:37+09:002023-08-08T05:59:16Z2023-07-31T09:49:37Z-----------------------------------------------
●四六判 ハードカバー 344ページ
●定価2200円(本体2000円+税)
●落合貞夫 著
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「植民地文学」から「世界文学」への跳躍。100年にわたる在日コリアンの文学の...沖縄の本ならココ! ボーダーインク『野草がおいしい おきなわ 野の薬草 基本料理レシピ』大滝百合子著https://borderink.com/?pid=1759922572023-07-18T13:08:33+09:002023-09-08T01:31:18Z2023-07-18T04:08:33Z
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●A5判160ページ
●定価2420円(本体2200円+税)
●大滝百合子著
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・手軽に採集できるのが魅力!
・栄養豊富で薬効もあり、健康に良い!
・栽培が簡単で、農...沖縄の本ならココ! ボーダーインク『新装版 おきなわ 野の薬草ガイド』大滝百合子著
『野の薬草、食べ物を使った 手づくり化粧品レシピブック』大滝百合子著
【目次】
はじめに—なぜ野草料理なのか?
薬草採集のポイント
毒草について
01 ヨモギ 体がポカポカ温まる
グルクンのタイ風ヨモギいため/ヨモギとバジルのアクアパッツァ/鶏肉とパパイヤの煮ものヨモギ風味/ヨモギ入り手打ちスパゲッティ/ヨモギ入りニョッキ/ヨモギのトマトスパゲッティ/ヨモギのやわらジューシー(ぞうすい)/ヨモギ入りリゾット/ヨモギ入りタイ風味噌汁/ヨモギ入りモヤシのナムル/ヨモギわらびもち/ヨモギ団子入りぜんざい/ヨモギ玄米ドリンク
02 クワ(シマグワ) とにかく何にでも合う
クワ入り豆腐チャンプルー/クワと冬瓜のトマトソース煮/クワ入りきんぴらごぼう/クワの葉のドルマダキア(ごはん包み)/クワ桜もち/クワ豆乳ムース
03 センダングサ 沖縄のミント
白身魚(赤魚)の味噌センダングサソース/ししゃものセンダングサのせ/冷やし豚しゃぶwithセンダングサだれ/ジャガバターのセンダングサ風味/センダングサのムラサキポテトサラダ/ゴボウとセンダングサのデトックス丼/センダングサ入りニョッキ/センダングサ パン/ニンジンのセンダングサバター和え/センダングサのポテトスープ
04 オオバコ ジューシーに入れるとおいしさバツグン
オオバコジューシー/オオバコとモヤシの塩炒め/オオバコと切り干し大根の煮もの/オオバコのゴマ油和え/オオバコのレバーシンジ
05 ニガナ クセになる苦味
貝とニガナの炒めもの/ニガナの魚なます/ニガナとササミの温サラダ/ニガナとカタバミの魚介ちらしずし/ニガナの白あえ/シラスとモヤシとニガナの味噌和え/ニガナの魚汁
06 サクナ(ボタンボウフウ) やみつきになるスパイス野草
豚ヒレ肉とサクナ入りラタトゥユソース/サクナトマトカレー/サクナのチャーハン/サクナ入り豆苗炒め/サクナ味噌/サクナ—刺身のつま/野草クッキー(サクナクッキー センダングサクッキー)
07 タンポポ(セイヨウタンポポ) オリーブオイルとの相性バツグン
タンポポのガーリックオイルスパゲッティ/タンポポのサラダご飯/タンポポのオリーブオイル和えガーリック風味
08 オニタビラコ 気分はイタリアン
オニタビラコのピザ/オニタビラコ入りキャベツのマリネ
09 ツルムラサキ 野生化した栽培野菜
ツルムラサキのバター焼き/ツルムラサキのキッシュ/ツルムラサキと豚ひき肉のスープ
10 スミレ(リュウキュウコスミレ) 食卓を盛り上げるハート形
スミレの葉の目玉焼き/スミレの春雨サラダ/スミレの中華風サラダ
11 アキノノゲシ サクサクとした軽快な食感
アキノノゲシのスペイン風オムレツ/アキノノゲシのだし醤油和え/アキノノゲシのゴマ和え
12 ツワブキ 本当にフキの味がする
鶏もも肉とツワブキの煮もの/ツワブキの醤油和え&ゴマ油和え/ツバ菓子(ツワブキの黒糖まぶし)
13 カタバミ お料理のオシャレなアクセント
カタバミとサーモンとキャベツのサラダ/大根の浅漬けカタバミ風味
14 ウイキョウ 魚介類におすすめ
エビとウイキョウのコールスローサラダ/ウイキョウの魚汁
15 イヌビユ 原始的ホウレンソウ
イヌビユの冷ややっこ(または湯豆腐)/イヌビユのゴマ和えとゴマ味噌和え
16 ツルナ 海辺のキラキラホウレンソウ
ツルナのスクランブルエッグ
17 インドヨメナ ご飯によく合う
インドヨメナごはん
18 ハママーチ(リュウキュウヨモギ) 海辺のスパイス
さわやかキュウリとササミのハママーチサラダ
19 タイワンハチジョウナ 意外な珍味
タイワンハチジョウナのかき玉汁
20 スズメノエンドウ 繊細な風味のサラダ野菜
スズメノエンドウとカリフラワーのサラダ
21 タネツケバナ ポスト・クレソン
タネツケバナと納豆のソーメンサラダ
野草各種
グルクンのかまぼこ焼き(つみれ焼き)野草入り
献立別索引
あとがき
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⚫︎はじめに なぜ野草料理なのか?
手軽に採集できるのが魅力。
私はだいたい週に4、5日、薬草や野草を食べる。日差しが強く葉が固くなる夏場は少なめだが、柔らかくておいしそうな葉が次々と顔を出す季節になると、自然とまた野山に通うようになる。
薬草や野草はわざわざ摘みに行くこともあるが、かばんにナイロン袋を忍ばせておいて出先でたまたま見つけた野草もちゃっかりと採集する。
沖縄では小さな原野がまだいたるところにあるので、出かけるたびに何かしら採集できる。そうして見つけた採集場所を頭に入れておき、あそこにあれが生えていたなあと再度その場所を訪れたりする。食べられる野草を自分の足で集めるのはとても楽しい。野草を根ごと採ってきて庭で育てて食べるのもとても楽しい。それでつい採りすぎてしまっても、野生の植物は腐りにくいので、何日も、ときには何週間もかけてほとんどすべて食べ尽くすことができる。
けれども、自然が好き、野草が好きというだけで、こんな食事を長年続けてきたのだろうか? いや、ほかにもっといろいろな理由があるのだ。
栄養豊富で薬効もあり、健康に良い。
私は自分でいうのもなんだがかなりの健康志向で、舌が肥えていて味にうるさい。私の料理の腕は別として、野草食は長年私の期待に応えてくれているのだ。
まずなんと言っても、野草の生命力あふれる体に含まれている豊富な栄養が魅力的だ。踏まれても刈られても引き抜かれても再びよみがえるなかで蓄えられた養分こそが多くの場合、野草の薬効の源になる。
一般の薬と違って多くの野草は栄養を与えることで体を元気にし、機能を高めることで病気を治す手伝いをする。だから、誰もが食べて健康増進できるし、普通の野菜と違ってちょこっと食べればいいのである。
なにしろ病気を治すくらいの力を持つのだから、逆に一度にたくさん食べ過ぎるのはよくない。量的には普通の野菜の三分の一程度でよいと言われている。生活習慣病に悩む野菜嫌いの人にとってこれはグッドニュースではないだろうか。
肉や魚を食べるときはその三倍の野菜を食べなさいと昔からいわれるが、野草なら同量でよいので本当に楽である。
栽培が簡単で、農薬も必要ない。
さらに野草は無農薬であるという点でも健康的である。私は野山から植物を根ごと採ってきて栽培したりするが、その場合も農薬なしでも虫はつかないし、肥料なしでも粗悪な土ですくすく育つ。
土が硬くなっても、地植えならまったく水をあげなくても大丈夫。あまりにも過酷な環境だと収穫量は減るかもしれないが、一応食べられる。
逆に肥料をあげすぎると葉が大きくなって面積あたりの栄養価は下がり、味が薄くなる。そのほうが食べやすいという人はそれでよいかもしれない。
野草は枯れることなく(大体の場合)、ありとあらゆる環境に姿を変えて適応する。
たとえば、太陽の光を浴びて元気に育った葉を炒め物や煮物に、北向きのベランダで育った柔らかくて薄い葉をサラダにという使い分けもできるのだ。
余談だが、室内で育てると葉が黄緑色になり、おしゃれな雰囲気の観葉植物になる。
いずれにしても、栽培の苦労はなく自由自在に操れる魔法の植物、それが野草なのだ。
一般の野菜にはない風味があり、食卓に変化をもたらしてくれる。
そしてもうひとつ、私を引きつけてはなさない野草の魅力はその味である。野草の味というと、苦ーい、青くさーい、ぴりっとするなどといって嫌がる人もいる。正直私も葉をそれだけで食べたときにはそう思う。けれども、他の食材と合わせて食べたときに、一般の青菜料理では経験したことのない新鮮な味のハーモニーを体験することができるのである。
ほとんどがアブラナ科に属する一般的な青菜と異なり、野草はさまざまな科に属している。しかも、改良されていないので、原種に近い。それが野草の味が個性的でバラエティーに富んでいる理由だろう。野草は新天地を求める青菜グルメをうならせるだろう。
そして、その個性的な味はハーブや薬味のように楽しむこともできる。特に魚料理や肉料理では臭みをとって味に変化をえるためにハーブや薬味がよく使われるが、ここでも野草が大活躍する。しかも野草なら、先に触れたように、魚や肉の三倍の量という野菜需用も同時に満たせるのである。
このように、基本的にタダである野草は、健康志向で味にうるさいのにお金がなく面倒くさがり屋の私に恵みを与えてくれるのである。
皆さんにも野草を毎日の料理に取り入れて活用してもらいたいと思って書いたのがこの本である。
この本ではより野草が使いやすくなるよう、そして、野草がおいしく感じられるよう、次の三点に気をつけてレシピを考案した。
・それぞれの薬草の基本的な料理パターンがわかり、自分なりのアレンジもしやすいレシピを掲載。
私がこの本に託した一番の願いは、ホウレンソウのように、野草を毎日の食卓に取り入れてもらうことである。
ホウレンソウを目の前にしたら、多くの人は「とりあえず茹でておひたしにしようか」「バター炒めにするとおいしいよね」「あまったら豆腐と味噌汁にしよう」といった料理パターンを即座に思い浮かべるだろう。けれども、野草を前にしても頭の中が真っ白になってどうしたらいいかわからないという場合がまだほとんどだ。
確かに野草の本をみると、茹でて食べるとか炒め物にするとかといった記述があるが、これだけの情報では料理に使うのはまだ怖いという気持ちはわかる。かといって複雑な料理レシピでは野草の基本的な使い方が頭に残らないし、自分なりのアレンジもしにくい。
というわけで、本書では極限まで簡単にした料理レシピを載せることで、それぞれの野草の基本的な料理パターンを提示することを心がけた。
もちろん、昔の文献を参考にしたり、私の経験からひねり出したりしたものなので、これですべてとはいえない。ほかの食材と同じように、野草の料理のしかたにも未知の可能性がある。けれども、とりあえずはこの本を足がかりにして、この野草ならこの料理ねと手が勝手に動くような料理のレパートリーを一つでもつくっていただきたいと切に願っている。どの食べられる野草にもフーチバージューシーのような県民的レシピが生まれたとき、私たちの食卓は身近な自然とのつながりを取り戻すだろう。
・レシピの材料は野草以外は通常家にあるものばかりで、作り方もとても簡単。
野草を食卓に取り入れやすくするためにレシピ作りで気をつけたことがもう一つある。それは野草以外の食材をニンジン、タマネギ、ジャガイモなどの家に最初からありそうな食材や近くのスーパーに行けばいつでも手に入りそうな食材にしたことだ。調味料は自然で健康的なものを使っているが基本的なものばかりで種類は少なめである。とにかく野草以外の材料を手に入りやすいものにするよう心がけた。
なぜかというと、野草はヨモギなどスーパーで売られている一部のものを除いていつ手に入るかわからないからである。レシピの材料の中で一つ手に入らないものがあるなら、それが手に入ったときに作ればよいが、 手に入らないものが二つあったら、これは作れないわね、とあきらめる人も多いだろう。
というわけで、たまたまある野菜が手に入ったときに問題なく作れるように野草以外の材料は入手しやすいものにしたのである。もちろん、作り方はどれも簡単なので、旬の食材などを取り入れて自分なりの味を作って欲しいと思う。
・野草の味を隠すのではなく、野草の味を生かし、野草がおいしいと思えるレシピを掲載。
最後になるが、野草の味が好きな私にとって野草料理のレシピはやはり野草の味を隠すものではなく、野草の味を生かすものでなきゃと思っている。
野草は食卓に変化をもたらしてくれる貴重な食材だ。栄養たっぷりだからカレーやハンバーグに紛れさせてがんばって食べようというけなげな努力が悪いわけではない。けれども、「あ、美味しい! 野草の味ぜんぜんしない!」という褒め言葉をいただくのは私にとっては悲しいことである。
できれば、「オリーブオイルと合わせるとニガナおいしいね」とか「センダングサといっしょに食べるとシシャモおいしいね」とか言って欲しい。野草がよりおいしく感じられ、野草により、より美味しくなる、そんなレシピを集めようとがんばったのが本書である。
この本を通して野草の味が好きになる人が一人でもいますように。
⚫︎著者略歴
大滝 百合子(おおたき ゆりこ)
筑波大学人間学類卒、マサチューセッツ大学社会学部卒、コロンビア大学大学院社会学部博士課程中退、上海中医薬大学付属日本校中医学科卒。アメリカを中心に世界各地で再生しつつあるワイズウーマン(自然の摂理に通じた太古の賢女=緑の魔女)流ハーバリズムの日本での普及を目指し、社会学・人類学的観点を交えながら食事、ハーブ、薬草関係の翻訳著述を行う。ハーブ・薬草の使用やふれあいを通して自然に対する原始人的理解を育むことに特に関心がある。これからも、自然のしもべとして師の価値や偉大さを少しでも後世に伝えていきたいと願っている。
【著書】
『おきなわ野の薬草ガイド』(ボーダーインク)
『野の薬草、食べ物を使った 手づくり化粧品レシピブック』(ボーダーインク)
『本物の自然療法—自然に生きる人間本来の病気観』(フレグランスジャーナル社)
『美肌をつくるキッチンコスメ—スーパーの食材でOK!』(主婦と生活社)
【共著】
『本物の自然食を作る—レシピ集』(春秋社)
『自然史食事学—自然の歴史に学ぶ最高の食事法』(春秋社)
【訳書】
『ヒーリングワイズ—女性のための賢い癒し術』(フレグランスジャーナル社)
『ストレスに効くハーブガイド』(フレグランスジャーナル社)
『本物の自然化粧品を選ぶ—完全ナチュラルコスメ宣言』(春秋社)
『メディカルハーブレシピ』(東京堂出版)
【共訳書】
『ガン代替療法のすべて—ガン治療の真髄に迫る』(春秋社)
写真 大滝月子
⚫︎2023年8月 初版第一刷発行
]]>『琉球怪談デラックス』 物語・小原猛 漫画・太田基之https://borderink.com/?pid=1755511322023-06-30T16:23:39+09:002023-07-27T08:50:00Z2023-06-30T07:23:39Z-----------------------------------------------
●46判176ページ
●定価1760円(本体1600円+税)
●物語・小原猛 漫画・太田基之
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太陽雨(ティーダアミ)と榕樹(ガジマル)の影に隠れてあなたに忍び寄る怪異...沖縄の本ならココ! ボーダーインク『島嶼左翼はどこへゆく — 沖縄的言説風景』宮城正勝 著https://borderink.com/?pid=1752783712023-06-15T16:04:25+09:002023-08-03T09:05:05Z2023-06-15T07:04:25Z-----------------------------------------------
⚫︎四六判上製本330ページ
⚫︎定価3960円(3600円+税)
⚫︎宮城正勝 著
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「否定知識人・島嶼左翼は、人々を「ウチナ...沖縄の本ならココ! ボーダーインク『オキナワノスタルジックストリート』ぎすじみち 写真・文https://borderink.com/?pid=1752728192023-06-15T12:52:55+09:002023-07-07T02:52:33Z2023-06-15T03:52:55Z-----------------------------------------------
●A5判160ページ
●定価2640円(本体2400円+税)
●ぎすじみち 写真・文
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「通りで出会った
なつかしい景色。
なつかしい記憶。」
いつもの街で見つけた
...沖縄の本ならココ! ボーダーインク⚫︎
●「はじめに」より
昔なじみの通りを久しぶりに訪れてみると、そこに何が建っていたのか忘れてしまった空き地はパーキングになり、目新しいコンビニや高層マンションがそびえたち、あの頃の面影がだんだん薄まっていくことに心細くなったりします。記憶の風景がずっと変わらないでいてほしいと願いつつ、時代の中で新陳代謝をくりかえしていくのもまた街の進化なのだと心のどこかで思いながら…(実際に便利なその恩恵を受けていたりするわけで)。
今この時代に暮らす子どもたちにとっての数十年後のノスタルジックな風景になっていくのでしょう。
日々変化していく街の景色の中、長い時を重ねて存在する建物や直書きの味わいある看板に思いがけず出会ったらまずはじっくり眺め、そして大切な宝物を見つけたような気持ちでカメラのシャッターボタンを押すのです。
ノスタルジックだけどどこか面白い、そんな景色が集まってギュッと濃縮された本になりました。最初からでも途中からでも、お好きなページからめくってお楽しみください。
⚫︎目次
第一章 那覇編
自分だけの時間をゆっくり楽しめる喫茶店 ローズルーム
見上げればせつない瞳 希望ヶ丘公園ちかくの民家
木造とトタンのアーケードのたくましさ ゑびす通り
美しい木造二階建て 守藝堂
炊飯器と猫が立ち話 浮島通りの路地裏
三越と那覇タワーと希望ヶ丘公園 牧志界隈の風景
パラソルの下で読書もできた パラソル通り
子供の頃のちょっと怖かった思い出 グランドオリオン通り
看板はタイムカプセル メンズファッション ニコニコ屋
思い出の場所とほろ苦い20代の記憶 ダイナハ
カラフルなデコレーションで華やいだアーケード 市場通りのアーケード
なつかしのロゴに再会 平和通り
整然と並ぶ長窓がモダンで美しい 旧琉球銀行本店
街の大きな薬局が消えた日 中琉薬品
ここもいつしかノスタルジックな場所に パレットくもじ
存在感がただよう個性的な形と曲線 真和志支所
覚えやすいビルの名前 テレホンビル
港の近くにドッシリ構える老舗のホテル ホテルよしだ
当時のマダムたちが集う風景を見たかった メナード化粧品
港のそばで建つ硬派な佇まい 埠頭倉庫
フリーダムなバナナたち 青果店の店頭
惜しまれつつ閉店した街の本屋 ブックスおおみね
大切にしたいこの風景 てんぷらとさしみの店
バスの車窓から眺めた螺旋階段と灯り 光電気産業跡
巨大な文字のスーパー看板 ストアー山内
よきネーミング、素敵なたたずまい ゲンキ食堂
青空に映える赤瓦屋根とシーサー 壺屋やちむん通り
時代を見つめてきた文化施設 図書館・那覇市民会館
絵に描いてみたい素敵な風景 ブロックの階段
手書きの広告看板と漆喰で描かれた鳳凰 首里劇場
我が青春の当蔵大通り
第二章 中部編
迫力のある動物たちが躍動していた団地風景 県営牧港団地
ポップで優しいパラソル電話 ブルーシール牧港本店
アーチ型の景色に想いをはせる 58号沿いのアーチの風景
街の画伯と不動産情報 我如古交差点の似顔絵看板
店は閉まっても看板の存在は消えず 商店看板
家電レンタル店の英字看板 58号沿い英字看板
顔に見えてくるホーロー看板 まねのできないおいしさ
植木鉢の日当たりのよい指定席 アパートといす
パイプライン沿いのヒンプンみたいな案内看板 教会の案内看板
半世紀以上の歴史を持つ仕立て屋 マンダリンテーラー
ここぞノスタルジックストリート ラッキー7
楽しい思い出が宿る巨大造形物 おきなわアイランドパーク
会社の歴史を感じる堂々とした姿 丸栄商会
見事に調和のとれた街の床屋風景 ヘアーサロンユタカ
板の直書き看板と木製引き戸の味わい コインランドリー
現像が上がる日は楽しみだった 中ノ町フォート
あの頃、胸おどらせたあの店この店 ゴヤ界隈の看板たち
社名よりも熱いメッセージ イヌのふん注意看板
ひらがな表記がキュート ふれんど美容室
あの頃の商店風景 平良商店
細い路地にみちびかれて路地歩き 園田の路地裏
安全運転を見守り続けたシーサー 巨大シーサー
今に残る、貴重な直書きロゴ キングタコス
風景になじんだ街のバーバーショップ SALON DE 騎士
セメント瓦の堂々とした佇まい 仲里家具店
金物屋の隠れキャラ発見 丸中商会
2009年、キャロットアイランドにて 津堅島
アメリカナイズされた独特な表現 比嘉グロセリー
アヒルの絵が描かれた気になる看板 かんのんアヒル
一度しか乗ったことはないけれど 美浜の観覧車
街で見つけたお気に入りのものたち
無骨でヴィンテージな味わい
流れゆく時間とともに
暮らしを彩ってきたデザインたち
Okinawa Nostalgic Vintage Color
さりげなく溶け込んで
第三章 北部編
海と山をはさんだ工場風景 本部鉄工所
飲みながらタイムスリップできそう セメント瓦の味な居酒屋
迫力のレンガ造りと錆びた引き戸 共同処理加工施設
本部町で出会った街の電気屋さん 渡久地ラジオ
この風景は変わらないままでいて 本部町営市場周辺の風景
動き出しそうな文字デザインの理容室 金城理容館
建物全体に大きなキャッチフレーズ 国頭村商工会館
雨戸の戸袋は看板になる ちばな家具店
喫茶店でもやしのひげをとる 宮里菓子店
アーチ状に並んだ花ブロックがおしゃれ 花ブロックの美容室
書を楽しむように看板を愛でる 辺土名精肉鮮魚店
泊まってみたい老舗ホテル ホテル国頭
海のそばの共同売店 大川共同店
ニライカナイと空飛ぶクジラ 名護漁港水産物直販所
なつかしいギフトショップの店頭 ナゴギフト
やんばるの交通安全はまかせて 名護の交通安全おじさん
ガタンゴトンと車窓の旅気分 ネオパークの機関車
なつかしい美粧院のひびき コロンビア美粧院
第四章 南部・離島編
看板がお酌をしてくれそう 団地前ストアー
地元で愛される街の洋菓子店 キングスベーカリー
島尻そばが気になる パーラーのメニュー
ガラス窓越しの?ブロンソンひげ? 理容座安
パンダブームが弁当界にも進出 とんとん弁当
宮古島の直書き看板いろいろ
大きなロゴが目を引く自転車店 糸数自転車店
大空に翼を広げた展望台 牧山展望台
車庫に書かれたナナサンマルの名残 ブロック塀の車庫
石垣島の名所 730の記念碑
壁画に描かれたヤギの親子 ヤギイラスト
第五章 街で見かけた個性的な看板たち
おもしろイラスト看板
手書きの味わい
地図看板
スナック看板の魅力
〈コラム〉Landscape of memories
路地の風景?/路地の風景?
マチヤグヮー/看板ハイド&シーク
なつかしコンビニたち/静かに錆びている
〈特集〉My Favorite 私のお気に入り
鉄門扉/直書き看板/気になる看板
パーラー/セメント瓦の店/レトロ公園
●著者略歴
ぎすじ みち
1973年那覇市生まれ。本職はデザイナー。高校時代に雑誌宝島の連載「VOW」に影響を受け、街の面白風景を趣味で撮り始める。それをきっかけに長い時間を経た建築物や看板の存在感に惹かれていく。フィルムカメラやデジカメを経て、インターネットと携帯電話の普及により、SNSで日々おもしろさを感じる写真を投稿しながら、いつしかライフワークのように味わいのある風景を探し続けている。著書に『オキナワノスタルジックタウン』(ボーダーインク)。
カバーイラスト・本文カット ぎすじみち
●2023年7月 初版第一刷発行]]>『沖縄文学の沃野』仲程昌徳著https://borderink.com/?pid=1751441172023-06-07T18:11:12+09:002023-06-21T02:06:33Z2023-06-07T09:11:12Z----------------------------------------------
●46判ソフトカバー 280ページ
●定価2200円(本体2000円+税)
●仲程昌徳著
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豊穣な沖縄文学の旅・最終章
「詩歌」「散文」「書簡」「劇作」「月刊雑誌・同人誌」
...沖縄の本ならココ! ボーダーインク『新相対性理論 物理的思考編』仲座栄三著https://borderink.com/?pid=1741690222023-04-14T16:56:58+09:002023-05-11T04:49:52Z2023-04-14T07:56:58Z-----------------------------------------------
●A5判ソフトカバー 364ページ
●定価3520円(本体3200円+税)
●仲座栄三著
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相対性理論とは何であったか?
我々のこれまでの科学的常識が問われる
中学・高校...沖縄の本ならココ! ボーダーインク相対性理論とは何であったか?
我々のこれまでの科学的常識が問われる
中学・高校程度の数学による手計算で実体験する新相対性理論
原始時計の遅れ、彗星の近日点移動、衛星軌道追跡、ブラックホール、タイムマシン…の物理に迫る
●目次
はじめに
第I部 新相対性理論歴史概観
パラドックスとは?/時間の遅れとはどういうことか?/なぜ,時間の遅れがパラドックスなのか?/双子のパラドックスとは何か?/この問題に実験的に決着をつけようと試みた者はだれか?/パラドックスを主張する者達は,それで納得したのか?/物理学者らの高慢かつ高飛車な物言いは何の根拠によるものか?/学会等での取り扱いはどのようになっているのか?/アインシュタインの相対性理論の誤りを主張した物理学者/地上の原子時計は,いずこの原子時計に対して時を刻むものか?/遠隔作用としての時間の遅れ/重力による時間の遅れは4次元の歪んだ時空によることの証か?/ガリレイの振り子時計の時間の進みと,精密な原子時計の時間の遅れとが教えるものとは?/物理学実験の一切を説明し,パラドックスの類の発生しない,そして腑に落ちる理論の探究という選択肢はないのか?/新相対性理論着想の瞬間はいつ現れたか?/こんなことがあってよいものか?/アインシュタインの相対性理論のどこに問題があったか?/プライムの付く時間t’や長さx’は,どのようにして静止している者の時間や長さと関連づけられたか?/4次元の時空とは何であったか?/新相対性理論において,重力が作用する場合を取り扱う一般相対性理論はどうなるか?/結局,双子の年齢差はどのように解決されたか?/ニュートンの運動法則はどのように説明されるか?/一般の座標系における運動方程式/万物は我々に物理的探究を要請する
第II部 ガリレイ変換と物体の静止力学法則 ニュートンの運動法則の修正
ガリレイ変換/慣性系で静止している物体の運動法則/運動している物体の運動法則の検討/観測者に対して一定速度で運動する物の長さの計測/運動方程式のガリレイ変換が意味するもの/静止物体の運動の法則(ニュートンの運動法則の修正)/まとめ
第?部 アインシュタインの相対性理論の論駁
1.アインシュタインの相対性理論の概要
ローレンツ変換/4つの式の意味/アインシュタインのローレンツ変換と相対性理論/相対性原理,光速度不変の原理/ローレンツ逆変換/時間と長さの相対論/同時の相対論/ミンコフスキーの4次元時空と不変量/4元ベクトル/4元速度/4元運動量/4元運動方程式/相対論的エネルギー/一般相対性理論
2.アインシュタインによるローレン変換の誘導法の確認
長さと時間の相対性/同時の相対性/静止系から,これに対して一様な並進運動をしている座標系への座標および時間の変換理論/動いている剛体,ならびに時計に関する変換公式の物理的意味
3.アインシュタインの相対性理論から派生されるパラドックス
双子のパラドック/落とし穴・ガレージのパラドックス/二人をつなぐ赤い糸の行方/回転できない回転円盤/一般相対性理論が説明する重力の作用によって歪んだ時空/まとめ
第IV部 新相対性理論
1.序説
2.相対性原理とガリレイ変換
相対性原理/ガリレイ変換/相対論的な観測/マイケルソンとモーリーの実験/フィッツジェラルドとローレンツの短縮説/アインシュタインの登場/ガリレイ変換と新ローレンツ変換の調和的存在
3.動いているものの長さの測定法
観測者に対して静止しているものの長さの光測量/運動系の運動方向の長さの測定 /運動系の運動方向と直交する方向の長さの測定
4.静止系から放たれた光は運動系内でどのような光の伝播となって観察されているか
運動系内で観測される静止系から放たれた光の伝播/運動系の運動方向と直交する方向の光の伝播/静止系の計測時間tと平均計測時間t の関係/新たなローレンツ変換式/近接作用としての新相対性理論,天動説と地動説の関係に例えられる旧理論と新相対性理論
5.新たな相対性理論(特殊相対性理論)
慣性系の時間及び空間/新たなローレンツ変換(4つの式/新たなローレンツ変換が与える2つの式
6. 光の伝播に伴う相対論的不変量と4次元時空
光のヌル伝播/アインシュタインの定義との相異/新ローレンツ変換が与える不変量/光の速度はなぜ不変量を成すか?/光測量による測定値の客観性/数学的取扱い上の架空の4次元時空の設定/4元速度及び運動量/4元ベクトル /4元速度ベクトル/4元運動量ベクトル /4元運動方程式/相対論的エネルギー保存式
7.相対論的運動法則
相対性原理の下に成立する相対論的力学/従来のニュートンの運動法則/静止物体の運動法則(静止物体の速度獲得法則)/観測者に対して一定速度で運動する物体の相対論的運動法則
8.相対論的力学
相対論的慣性質量及び運動量/相対論的速度合成則/相対論的エネルギーの定義
9.相対論的電磁気学
マクスウェルの電磁場理論/光の赤方偏移(redshift/ブラッドレーの光行差/光の速さが一定値となって観測される理由
10.重力場における相対性論
数学的取扱いの便宜上設定される架空の4次元時空/電磁波的な重力の作用の発見/ニュートンの運動方程式から測地線方程式へ/アインシュタインのテンソル/エネルギー・運動量テンソルの定義とその微分/アインシュタインの重力方程式/シヴァルツシルトの解
第V部 演習 新相対性理論
1. 基本物理量と基本公式
物理量/新特殊相対性理論における時間及び座標の定義/新一般相対性理論における時間及び座標の定義/基本公式/1)特殊相対性理論の基本的公式/2)一般相対性理論の基本的公式/3)近似公式
2. 質量の周りに静止している観測者の測る時間及び空間長
異なる高さに静置された原子時間の時間及び振動数/東京スカイツリーでの実験/距離計測に及ぼす重力の影響/チェサピーク湾上空での実験/GPS衛星搭載の原子時計の振動数及び時間の変化/HafeleとKeatingの実験/重力場における半径方向の距離の光測量
3.重力の作用下での物体の運動
特殊相対性理論における慣性運動を規定する相対論的法則/重力が作用する場合の一般相対性理論における相対論的支配法則/角運動量の保存/重力場で半径方向に運動する運動系の運動方程式/1)無限遠で初速度ゼロの場合の運動/2)初速度を持つ場合/3)重力場に静止している観測者の測定する運動方程式/4)重力場で測定される運動エネルギー/5)重力の作用しない座標系から見た場合のエネルギー/重力場に静止している観測者が投じる物体の運動
4.角運動量を伴う運動
計測される時間及び距離の定義/人工衛星の周回軌道上の振る舞い/重力場で静止している観測者によって打ち上げられた人工衛星の挙動追跡/運動エネルギー・位置エネルギー・全エネルギー/ニュートン力学による有効ポテンシャルの復習/計算例1 (人工衛星の質量引力からの脱出の可否)/計算例2 (人工衛星の打ち上げ)/計算例3 (人工衛星の周回周期) /人工衛星の安定な軌道の検討/安定的な円軌道上の人工衛星の速さと最小半径/安定軌道のニュートン解と一般相対性理論の比較/不安定軌道上の人工衛星の速さ/ケプラーの第三法則/彗星の近日点移動/計算例4 (彗星の近日点の移動量)
5.光の伝播に及ぼす質量の影響
光及び重力波の伝播/質量Mの周りを伝播する光 衝突パラメータbの定義/光の伝播の軌跡/基準座標系の時間及び距離で計測する光の伝播/有効ポテンシャルを用いた光の伝播予測/重力による光の彎曲/計算例1(質量による光の彎曲)/一般相対性理論による彎曲角度/計算例2(太陽の質量による光伝播の遅れ)
おわりに
●はじめに
人々はかつて静かな静止した宇宙空間を想像していた.その空間を絶対静止空間と呼び,それは光を伝播させるエーテルで満たされているとした.その頃,人々は光が波として伝播するものであることを知っていた.そして,光はエーテルが媒質となって伝播させるものである.そのエーテルに対する速度,すなわち,絶対静止空間で測られる地球の運動の絶対速度は,計測される光の速度の変化に現れると考えた.マイケルソンやモーリーらは,計測によってその光速度の変化を捉えようと試みた.実験結果は,予想に反して,地球の運動による有意な光速度の変化を捉えることはできなかった.フィツジェラルドやローレンツはそれぞれに,エーテルによって運動物体の長さはその運動方向に縮み,時間も遅れると想像した.このような考えを,ポアンカレも支持し,光速度が一定であることについての議論が行われた.そして,実験結果を説明するために,ガリレイ変換に代わるローレンツ変換が生まれた.
一方,絶対静止空間に付随するという絶対速度の探究に対して,アインシュタインは,『相対性原理』を導入し,そのような試みを物理学に不要なものとして退けた.さらに,光速度に地球の運動の効果が現れないことの疑問にも,『光速度不変の原理』を位置付けて,その議論をも無用なものとして退けた.アインシュタインは,それら二つの原理に基づいて相対性理論を提示した.その結果,ニュートン以来,我々が想像していた時間と長さの不変性は物理学から退けられ,時間と長さの相対論が物理学に位置付けられた.こうして,アインシュタインの相対性理論は,フィツジェラルドやローレンツ,そしてポアンカレらが議論していた相対論の形に仕上がった.
アインシュタインの相対性理論によれば,ある慣性系で測った物理量の値は別の慣性系で測ると必ずしも同じものではなく,それらの間にある換算法則が存在する.その換算法が,アインシュタインの時間と長さの相対論を規定するローレンツ変換である.ローレンツ変換によれば,相対速度によって時間が遅れ,長さが縮む.これにより,これまで存在したガリレイ変換は退けられて,ローレンツ変換が正しい変換に位置付けられた.だが,このことは,双子のパラドックスなど,時間と長さにまつわる各種のパラドックスを派生させることとなった.物理学界がこれまでに行ったおよそ全ての実験結果は,アインシュタインの相対性理論の正しさを実証するものとなっている.今日,アインシュタインの相対性理論は,疑う余地もないものとして物理学界に受け入れられるに至っている.
物理学実験結果のおよそ全てが,アインシュタインの相対性理論の正しさを示すものであったとしても,パラドックスの存在を主張する者達が後を絶たない状況は,これまで続いてきた.これに,現代物理学界は,物理学離れした単なる「言い掛かり」として,切り捨ててきた.
しかし,ついに,アインシュタインの相対性理論の誤りがここに明らかにされる.アインシュタインの相対性理論の問題点は,やはり,双子のパラドックスなど,それに伴う各種のパラドックスにその片鱗を垣間見せていた.
結局のところ,アインシュタインの相対性理論は,その前身であるフィツジェラルドやローレンツ,そしてポアンカレらが想像したものでしかなかった.その結果,ガリレイ変換はローレンツ変換で置き換えられ,時間や長さはそれによって相対的なものとして定義された.その結果,ニュートン力学で位置付けられていたガリレイ変換に基づく不変的な時間及び長さの概念は,物理学から退けられた.
2014年,本書の著者である仲座は,ガリレイ変換を相対性理論構築の基盤として位置付け,物理学から退けられていた不変的な時間と長さの概念を再び物理学に位置付けた.逆に,アインシュタインが導入した光速度不変の原理が,相対性理論構築の過程から退けられた.ガリレイ変換に基づく時間と長さの概念が,新たな相対性理論を生み,光など電磁波の伝播に伴う伝播時間及び伝播距離が,相対論的なものとして現れた.
すなわち,新たな相対性理論は,相対速度の存在あるいは重力の作用下の電磁気理論として現れた.新たな相対性理論は,いかなる状況に対しても相対性原理を満たし,パラドックスの類が派生する隙を与えない.また,アインシュタインが想像した4次元の時空は,数学的な取り扱いの便宜上導入される単なる架空の4次元時空となった.実在するのは,三次元の空間とそれに独立した時間となる.
したがって,実際に存在する空間に質量の存在による歪みが現れることはない.空間は,三次元のデカルト座標をもって表すことができる.すなわち,我々が計測する時間や長さは,物理学的に定義される時間の単位及び長さの単位をそれぞれ不変的なものとして用いて測られるものである.光の伝播は,相対速度の存在あるいは質量の存在によって,その振動数や波数にredshift(二次シフト)を受ける.このことが,これまで測定されてきた時間遅れや長さの短縮,そして光が不変となって観測されることの物理学的なメカニズムである.
質量の存在は,粒子の運動軌道のみでなく,光など電磁波の伝播軌道をも曲げる.それは,光の伝播に重力赤方偏移が現れることが要因である.一般相対性理論において,特筆されるべき点は,質量の存在による重力の作用も光など電磁波の伝播と同様に,光の速さを持って波として伝播するものであることを明らかにしていることである.そのことの証は,彗星の近日点の移動に具体的に見ることができる.
従来のアインシュタインの相対性理論で,最も知られる式としてがある.これまで,この式は物質の持つ静止エネルギーと位置付けられてきた.しかし,新相対性理論では,質量の粒子が光速度を有する場合の運動エネルギーとしてその定義を改められ,光や粒子の相対論的エネルギーを議論する上での基準として位置付けられる.それは時間や長さの計測に光など電磁波を用いていることによるものであり,相対性理論が光の伝播を基準として構築されていることによる.
また,光の速度は粒子速度の限界を意味しない.光の速度は,光など電磁波を用いた計測に対する測定限界速度,あるいは一般相対論的に重力の及ぶ限界速度を意味するのであって,相対性理論が粒子速度の限界に関与することはない.
ここに,従来のアインシュタインの相対性理論とはおよそ真逆となる相対性理論が誕生する.それに物語的な要素はなく,物理現象の一切を物理学の探究対象として位置付ける内容となっている.我々は,こうしてパラドックスに悩まされることはもう無くなった.
この書には,こうした物理学における相対性理論の革命の歴史概要,従来のアインシュタインの相対性理論の問題点,そして新たな相対性理論の概要と演習が説明されている.
本書では,第I部において,パラドックスの解決の視点から相対性理論の歴史的概要について述べる.第II部においては,ガリレイ変換やそれに基づくニュートンの運動法則の修正について説明する.第III部にいては,従来のアインシュタインの相対性理論及びその問題点について説明する.第IV部においては,アインシュタインの相対性理論を論駁し,新たな相対性理論について説明する.第V部は,新相対性理論をどのように使うかの演習に当てている.第Vで展開される演習については,その多くの計算対象を,解説書(一般相対性理論入門―ブラックホール探査―,エドウィン・F・テイラー,ジョン・アーチボルド・ホイーラー著(牧野伸義訳,株式会社ピアソン・エディケーション発行,347p,2004年)を参考にしたものとなっている.しかし,その計算過程や議論の内容は,新相対性理論に従うものとなっている.
アインシュタインの相対性理論では,相対速度の存在や重力の存在で短縮や歪んだ時空を想像し,それに無条件に従う力学が議論される.新相対性理論を対象とする第V章における演習では,粒子の運動,光の伝播が,それぞれ静止系におけるニュートンの運動法則及びマクスウェルの電磁場理論など力学に基づいた運動を基本とする.その上で,動いている物や重力場の力学が,光など電磁波計測に基づいて解析される.このことが,新相対性理論を成す.
(後略)
■著者紹介
仲座 栄三(なかざ えいぞう)
1958年 宮古島に生まれる
2005年 流体の支配方程式を修正する
弾性体の支配方程式を修正する
2014年 相対性理論構築の基盤としてガリレイ変換を位置付ける
ローレンツ変換を相対論的電磁気学の基礎として位置付ける
現在に至る
著書:『物質の変形と運動の理論』(2005),『新・弾性理論』(2010),
『相対原理に拠る相対性理論』(2011)『新・相対性理論』(2015)]]>