• 聞き書き 島の生活誌3 田んぼの恵み 八重山のくらし

聞き書き 島の生活誌3 田んぼの恵み 八重山のくらし

978-4-89982-174-8

1,100円(内税)

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           安渓遊地・盛口満編/A5判110頁/定価1,050円(税込)

沖縄、奄美の戦前・戦後の島の歴史やさまざまな伝承とくらしの知恵を聞き書きでまとめたブックレット第三弾。
本巻は八重山の稲作や神、自然に関する聞き取り6篇からなる。
「ヤマネコは神の使い」だと語る西表の人。自然の中に神々の姿そのものを認める暮らしのあり方は、これからの人間の生き方への大切な指針です。

第1章 西表島祖納・ヤマネコは神の使い
島に戻って/西表の稲作の特徴/七回耕して草を押さえる/本土なみ買い上げ制度が始まるにあたって/いやいやカメムシ防除を始める/農薬を撒いたかどうかで等級を決めたのでは?/アイガモ稲作でヤマネコと共存/アイガモが鳴くだけで田んぼが楽しい/西表で米をつくる意味/金儲けは都会ですればいい/ヤマネコは神の使い
第2章 西表島祖納・神司として島をまもる
芸能一家に生まれる/神司から逃げようと那覇・台湾へ/二度目の「ハハキトク」/神司の役割/雨乞いをする/仲良川での雨乞いの儀式/昔のしきたり/石垣島に引っ越して/神司の交代の儀式/蜂に刺されて/神のものと仏のもの/一日一日を守られて/畑の楽しみ/島の人たちへのことば/別れがたい思いで/おわりに
第3章 波照間島・天水田と畑
 田んぼの話/田んぼの周辺の自然/繊維を利用する植物/ヤギのえさ/土地改良で景観が変わった/畑仕事/畑の種類/薪の利用/材木は西表から/ヤシガニのこと/島のその他の植物や虫など/リーフの生き物
第4章 竹富島・日本最南端のお寺で
島からのことづて/自然が失われていく/世代わりの中で/あいさつをする習慣/餞別は畑のもの/ナカッスという怖い監視役の思い出/竹富島の無縁仏はみな寝そべっている/海の幸のいただき方/今の人が忘れていること
第5章 鳩間島・海上を通う田仕事
海上を超えての田んぼ作り/子どもの手伝い/水の苦労/田んぼ周りの獲物/ヤマネコとジェット機のこと/薪取りと島の畑/海の幸/西表は生活の糧の場/島の変化
第6章 石垣市川平・数少ない稲作地
苗の取りかたの違い/緑肥の話/田んぼの話あれこれ/家畜のこと/繊維を使う植物/田んぼの周囲の生き物たち/畑のこと

〈聞き手紹介〉
安渓 遊地(あんけい ゆうじ)
富山県生まれ。ヒト屋。山口県立大学教員。主な著作に『西表島の農耕文化』(法政大学出版局
共著)など。

盛口 満(もりぐち みつる)
千葉県生まれ。博物屋。沖縄大学教員。主な著作に『生き物屋図鑑』(木魂社)など。

安渓貴子(あんけい たかこ)
愛知県生まれ。植物屋。山口大学非常勤教員。主な著作に『森の人との対話――熱帯アフリカ・ソンゴーラ人の暮らしの植物誌』(東京外語大AA 研)など。

蛯原一平:(えびはらいっぺい)奈良県生まれ。イノシシ屋。国立民族学博物館外来研究員。主な著作に「琉球列島におけるイノシシ猟の歴史的展開と生態的基盤」(京都大学博士論文)など。