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   暮らしの中の御願(うぐゎん) 沖縄の癒しと祈り


高橋恵子 著 四六判 260 頁

沖縄の癒しと祈り

御願研究家が21世紀の御願をエッセイで考える。これまでの、そしてこれからの御願とは。

[目次]
一、御願と暮らし
 御願ことばと女性の役割【ウグヮン】/御願のこころ【ウグヮンブスク】/家族を守護する神【チネービヌカン】/火の神の昇天【二ジューユッカ】/家の出入り口の御願【トゥファしラウガミ】/便所の神の話【フールヌカミ】/正月にする御願【ニントゥーウグヮン】/三月三日の浜下り【サングヮチサンニチ】/胎盤を埋める儀式【イーヤーワレー】/子供の誕生祝い【タンカースージ】/神仏からのご褒美【グティフングヮ】/よきせぬプレゼント【イントゥク】/願うことは幸せを招く【ニゲールセーウェー】/魂を込める御願【マブイグミ】/生きている人の魂【イチマブイ】/離婚の御願【フトゥチウグヮン】/引越しの時のヌジファ【ヌジファ】/医者半分ユタ半分

二、供養と癒し
 清明・先祖供養/お盆・先祖供養/魂のヌジファ/お墓のヌジファ/海の底から救った魂/戦争で落とした魂/水子の供養先祖の懐に抱かれる/亡くなった人の思いを聞く/亡くなった人の結婚式/亡くなった人との悲しい別れ/くりかえす先祖の行為/神や霊をないがしろにした話/嫡子の存在は大きい/位牌は霊が宿っている/位牌継承のタブー/預けられた位牌/寂しい思いをしている女の位牌

三、「お知らせ」と災い
 生きた人の遺念/口は災いの元/腰にかかる「お知らせ」/霊に乗り移られた話/霊の障り/ヤナムンと吹出物/御嶽の「お知らせ」/亡き祖母からのメッセージ/神仏のメッセージで命拾い/タマガイは不吉の前兆/十二年ごとの生まれ年/同じ干支同士のサーマキ/四十九歳は大厄の年

四、霊力と呪力
 霊力の高い生まれ/分を超えた御願/ターリーの原因を探る/守護霊を悟る/ユタになる人/ユタの託宣/ユタの得意分野/ヒラメキで作った民謡/正夢で助かった話/不吉な夢を払うまじない/薬を飲むときのまじない/着物に込められた呪力/つばの持つ呪力いろいろ/サンの持つ不思議な力/塩で清め・払う方法/若返る水の話/人間の命の再生/お守りの御利益

あとがき
索引

著者紹介
高橋 恵子
1946(昭和21)年3月、本部町に生まれる。
1971(昭和46)年3月、国際大学文学部国文学科卒業。現在、沖縄文化協会会員、沖縄学研究所所員。
2000年自主制作CD(「黄金孫」)で新唄大賞で奨励賞受賞。
著書に『沖縄の御願〜神グチ・民間信仰語をかがる〜』(ひるぎ社、1988)、『沖縄の御願ことば辞典』(ボーダーインク、1998)論文に「沖縄の民間信仰語」(『沖縄文化』第19巻2号)がある。
1988年、沖縄文化協会賞(金城朝永賞)、沖縄タイムス出版文化賞受賞。


ボーダーインク【電柱通り通信】 vol.19「スタッフリレーブックレビュー」より


『暮らしの中の御願』―沖縄の癒しと祈りー  高橋恵子著
四六判・上製本・260頁・2520円(税込) 

ボーダーインクの書名は読みづらいと言われる事があるが
この本もその一つになるだろうか?
御願は「おねがい」ではなく「ウグヮン」と呼ぶ
意味は「祈願。神様に願うこと」で、沖縄の民俗信仰を表す時に用いられる。
何かと御願本に縁のある私ですが
実は御願とはあまり縁のない生活を送ってきた
旧盆や清明祭の先祖供養はきちんとやっていたけれど
ユタに行ったこともないし
親戚にうるさいおばさんもおらず
火の神だって昔からあったわけではない
告白すると屋敷の御願もしたことがなかった

『沖縄の御願ことば辞典』出版の際に高橋恵子さんにお会いした
それが始まりだった。
知識のとぼしい私も原稿を読んだり、高橋さんといろいろお話するうちに少しずつ御願のことがわかってきたような気がした
本書『暮らしの中の御願』は御願ことばのエッセイ集である。
「ことば」として辞書にのっているものではなく
生活の中で使われている言葉について具体的に書かれている。
一、御願と暮らし、二、供養と癒し、三、「お知らせ」と災い、
四、霊力と呪力の四章、67のエッセイで構成されている。
御願そのものや、行事についても詳しく書かれているけれど
人が何を思って、何を願って御願しているか
そういうところがきちんと書かれている

たとえば「予期せぬプレゼント(イントゥク)」の話の一部はこんな感 じ
著者が子どもの頃、近所の体の不自由なタンメー(おじいさん)のために
毎日水を汲んであげていた。そのタンメーは何もお礼ができないことを 嘆いて
「イッペー アリガトードー イントゥク モーキリヨー
(大変ありがとう。陰徳もうけなさいよ)」といっていたという。
当時、そう言われて意味はわからなかったものの、今でも幸せを感じる 時、その言葉を思い出し、
そのタンメーが見守って幸せを与えてくれているのでないかと思うとき があるという話だ。

「陰徳」のもともとの意味は「人に隠れて行う善行」のことらしいが
ここでいう「陰徳」には感謝の気持ちと優しい気持ちがあふれている
お金でなく、物でなく、心で感謝することができて
そしてそれを受け取る事ができる
しみじみ、いい話だなと思う。                   (池宮)



■発行:2003年8月31日

・ 型番
4-89982-050-X
・ 販売価格
2,592円(内税)
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